生きているかのようなサウンドを作り出すパルスエンジンを搭載した次世代シンセ、Output『Signal』レビュー

生きているかのようなサウンドを作り出すパルスエンジンを搭載した次世代シンセ、Output『Signal』レビュー1作目であるリバース専門音源「REV」が大ヒットし、一躍人気デベロッパーの仲間入りを果たしたOutput。1作目で多大なインパクトを残したのですから、もちろん2作目にはおおいに期待してしまいますよね。
その2作目としてリリースされたのが今回レビューする『Signal』ですが、その高いハードルを難なく乗り越えるパワフルなインストゥルメントでした。

パルスエンジンを搭載したパワフルで革新的なシンセサイザー!という謳い文句付きでリリースされたSignalですが、いまいちどんなものなのかよくわからないという方がほとんどだと思います。
個人的なSignalの印象を簡単にまとめると「誰でも簡単に、エフェクティブで、動きのある、ハイクオリティな、”使える”サウンドを作り出せるシンセサイザー」といった感じです。

Sponsored Links

サウンドソース・レイヤー

Signalでは約50個用意されたサウンドソースから二つを選び、レイヤーしてベースとなる音色を作ります。この点はREVと同じですね。

サウンドソースはSynth、Instrument(生楽器)の二つのジャンルに分類されています。
Synthソースはノコギリ波や矩形波、三角波などのシンセの基本とも言えるサウンドから複雑な波形まで25種類のサウンドソースが用意。
アコースティックソースはピアノ、ギター・ベースや、ハープやフルートなどオーケストラ系の楽器、クラップやシェイカー、ハンマー台などの打楽器まで色々なサウンドソースが用意されています。

上部にソースの説明が表示されるのでどのような音なのかわかりやすい

ちなみに、後述するパルスエンジンはオフにすることができ、オフにすることによりサウンドソースを”ドライ”の状態で鳴らすことができます。パルスエンジンがオフの状態でもエフェクトはかけることができますのでサウンドメイクも十分可能。サウンドソースによりますが、ドライのままでも十分使えるサウンド(特にSynthソース)だと思いました。

パルスエンジン

The pulse engine

お待ちかね、Signalの最大の売りであるパルスエンジンです。

「脈拍・鼓動・振動」といった意味を持つパルス。Signalにおけるパルスとは「LFO / ステップシーケンサー / アルペジエイター / ルーパー」以上4つの”リズムを作る信号”のこと。
先ほど作ったベースとなるサウンドソースにこのパルスを複数掛け合わせ、公式でも謳っている通り「人間の脈」のように生きているかのような動的なサウンドを作り出すことができます。
つまりパルスエンジンは、サウンドに脈・鼓動・振動(リズム)を与えるエンジンというわけです。

「WAVE」がLFOです。サイン波、矩形波などのシンプルな波形はもちろん、一般的なシンセには用意されていないような複雑な波形まで、全45種類の波形が用意されています。視覚的に非常に分かりやすいのがいいですね。

「STEP」は最大32ステップ対応のステップシーケンサー。プリセットも豊富に収録されています。

「ARP」はアルペジエイター。こちらも豊富なプリセットが用意されています。ボリュームの変化を自分で設定することが可能です。

「Loop」はサウンドソースの波形の一部分を繰り返して鳴らすことのできるルーパーです。
ちなみにループ位置はオートメーションを書くことができます。うまく使えば面白い効果が得られそうです。

ホストアプリケーションのテンポに完全に同期したこれらのパルスをレイヤーし、ボリューム、パン、フィルター、歪み(真空管、ビットクラッシャー)の5つのパラメーターをアサインして動的なサウンドを作っていきます。
1つのサウンドソースにつき、2つのパルスを組み合わせることができ、アサインするパラメーターも各パルスごとに調整できます。サウンドソースは2つあるので、これだけでいかに複雑なリズムを作れるかがわかっていただけるかと思います。

エフェクト

サウンドソース、パルスエンジンの設定が完了すれば、最後にエフェクトです。
エフェクトは各パルスエンジンにかけることができる「Pulse Engine Effects」と、Signal全体にかける「Global Engine」の2種類があります。

フィルター、コーラス、ディレイやリバーブから、イコライザー・コンプレッサー・リミッターといったミックス的なエフェクトまで搭載。ちなみにエフェクトをかける順番は変更できません。

マクロスライダー

Signalの顔ともいえる、メイン画面にどっしりと構える存在感たっぷりの4つのマクロスライダー。マクロにパラメーターをアサインすることで、一度に複数のパラメーターを同時に操作することができます。Signal上のほぼすべてのパラメーターをアサイン可能。スライダーを動かした際の可変量も細かく調整できます。

Signalの真価を発揮するにはこのマクロスライダーは必須。複数のパラメーターを同時に動かすことで、サウンドにさらに命を吹き込むことができます。

豊富なプリセット

Signalには約500個ものプリセットが用意されています。

サウンドソースと同じく、上部にプリセットの説明が表示される。

プリセットはそれぞれタグ付けされているので、タグを選択するだけでイメージに近いプリセットを簡単に見つけ出すことができます。サウンドメイクが苦手な方も安心ですね。

以下の動画はファクトリープリセットのサウンドだけで作られたオフィシャルデモ動画。右下に使用されているプリセット名が表示されます。

Output公式による拡張パックも複数リリースされているのでこれによりプリセットを増やすことも可能です。

まとめ

個人的な印象を箇条書きでまとめると、

・音作りが苦手・シンセ音痴の方でもクールで美しいサウンドを作れる
・シンセソロなどのメロディをなぞるようなリード系の演奏は苦手かも
・ループ系のサウンドを作るのに適している
・荘厳なサウンドが得意なので、映画音楽や劇伴系のジャンルには特にオススメ

という感じでしょうか。サウンドメイクの簡単さ、楽しさはシンセ音痴の自分が言うので間違いないです笑。

「MassiveやSerumとかのシンセでも複雑なLFO組めるじゃん」と思っていましたが、Signalは生楽器とデジタルのレイヤー、そしてパルスの組み合わせにより全く新しいサウンドを作り出せる次世代シンセ。
今までにないタイプのシンセだと思うので、シンセをたくさん持っているという方にこそお勧めしたいシンセですね。

無料版もありますので、気になった方はまずこちらを試してみることをおススメします。(要Kontaktフルバージョン)

話題のKontaktインストゥルメント、Output『SIGNAL』の無料版が登場! | MeloDealer

SITE2913さんのレビュー記事も非常に参考になりますのでぜひ併せてチェックを!

次世代シンセ OUTPUT「SIGNAL」レビュー

Link

Price: $199

Signal By Output | The World’s Most Powerful Pulse Engine

クリプトン | SIGNAL(音楽ソフトウエア)

Sponsored Links

One thought on “生きているかのようなサウンドを作り出すパルスエンジンを搭載した次世代シンセ、Output『Signal』レビュー

Comments are closed.